“Spotlightに 舞うDream迷いはないと知る、
見えたのさ もうすべて”
という、何かを達観したようなリリックで幕を開ける『to』。
林 和希による、待ちに待った2ndアルバムがようやく到着した。
彼が自分の夢を、
そして次に目指すべきステージを再確認したのは、
ニューヨークの地だった。
2023年5月に1stアルバム『I』を発表し、
翌年には3曲入りのプロジェクト『東京』をリリース。
念願のソロ活動がスタートしたものの、
所属グループ、DOBERMAN INFINITYとしての活動もあり、
ここに至るまでソロ名義での作品数は決して多くはない。
そして自分のペースで
納得いく楽曲を作り続けて来た和希だったが、
セカンド・アルバムまでの歩みは順風満帆ではなかった。
この『to』が完成するあいだには
「本当に曲が書けない。書きたいことも、
生まれるものも何もない」
という状況に陥っていたという。
プライベートにおいても
大きな決断を迎えるタイミングで彼が選んだのは、
単身のニューヨーク旅行というプラン。
自分が何を感じているのか、
まずはそれを探しにいくーー。
そうして初めて踏んだニューヨークの地は、
和希に期待以上の刺激をもたらした。
マディソン・スクエア・ガーデンで観た、
まるでマジックのような
スティーヴィー・ワンダーのステージ。
高級車を飛ばしながら夜の社交場へと向かう、
現地で知り合った友人。
ルーフトップのバーから眺めたマンハッタンの夜景。
こうして、ニューヨークで見た様々な景色や雑踏の音、
香りといった全ての刺激を詰め込むかのように、
『to』の制作が本格的にスタートしていく。
冒頭にリリックを引用した「Trillion」や、
流麗さとストリートの土臭さが同居する「Brooklyn Lullaby」、
華やかさを帯びた「リビエラベイベー」といった曲を聴くと、
まるで彼がニューヨークで過ごした日々を
追体験したような気持ちになる。
そして実際にニューヨークへと赴いた和希は、
「音楽が大好きすぎる」というピュアな衝動を
取り戻しただけではなく、
実際にその地でリリックを書き起こすことで
自分の内側とも向き合うことができたと言う。
そして、カラになった身体とマインドを充電するかのごとく、
ニューヨークと東京を行き来するようになる。
アルバムの完成も間近に控えた2025年の夏、
スケジュールをどうにか調整して、
一ヶ月ほどニューヨークのソーホーに一人で
滞在してアルバム用の歌詞を書き上げた。
そこには、アーティストとして
さらに深みを増した林 和希の姿が見える。
『to』で描かれるのは、
ノスタルジックな美しい旅路だけではない。
ここで、アルバムの軸になるもう一つの“旅路”が
その情景をあらわにするのだ。
それは、大切な人との別れというブルージーな旅路。
リアルなラヴソングを歌い続けてきた和希ではあるが、
今回主軸となっているのは、
一生を掛けて忘れえぬほど情熱的な時間を
共に過ごしたパートナーとの別れだ。
『to』でひも解かれるのは、
前作『I』で描ききったストーリーとは異なる恋物語。
しかも、すでにその悲しい結末が予想できる悲恋の物語だ。
リード曲にもなった美麗な正統派バラード「you」を聴くと、
思い出をかき集めながら
二人の関係性にピリオドを打とうとするやるせない姿が
ありありと浮かんでくる。
恋人同士の記念日を記した「Anniversary」で歌われるのは、
決して一つのテーブルに向き合う恋人たちの甘い囁きではなく、
倦怠感に襲われ、おざなりの記念日を過ごす二人の様子だ。
男女の絶妙な距離感をスムーズな歌声で紡いでいく姿は、
哀しく、狂おしいものがある。
打ちひしがれるような
自身の体験をこうして楽曲へと昇華させねば、
アーティストとして成長することはできない。
捻じ曲がった想いは、
今では感謝の気持ちへと変わったーー
そうして吹っ切ることができたのは、
やはりニューヨークで過ごした時間による
ところが大きいのだろう。
林 和希が稀有な理由。
それは、卓越したヴォーカリストであるだけではなく、
素晴らしいバランス感覚を備えた
ビートメイカー/プロデューサーでもあるという点だ。
前作の『I』同様、
今回収録されている楽曲は、
全てセルフ・プロデュースによるもの。
80年代後半から90年代初頭の正統派アダルト・
コンテンポラリー的な雰囲気の「Anniversary」、
2000年の初めころのR&Bサウンドを思わせる
バウンシーなビートの「Paper Rain」、
スムーズでメロウなヒップホップ・ヴァイブの「Plumeria」、
心地よいベースラインと上ネタの
響きも極上な「Forsyth St.」と、
自らが練り上げた入魂のビートたちが並ぶ。
「Honey」は2018年に書きライブでも
披露していた思い入れの強い楽曲だが、
今回、2025年版として華麗なアップデートを経ている。
そして、ビートだけではなく緻密なレイヤーが
施されたコーラスの美しさと奥深さといったら!
ここまでをDIYで作り上げるとは、
本当に恐るべき才能の持ち主である。
そして、今回の『to』には2024年に発表された
人気楽曲「Show Me What You Got」の
リミックス・ヴァージョンが収録されている。
和希にとってファミリーとも言える
DORBERMAN INFINITYからP-CHOがラップで参加し、
さらにスパイスとグルーヴが効いた仕上がりに。
東京とニューヨークを行き来し、
より立体的に描かれる切ないストーリーの数々。
ニューヨークの街並みに想いを馳せながら
アルバムを締めくくる「Forsyth St.」では、
明るい未来の姿を匂わせながら
“君の夢を閉ざす長い旅が終わる”と、
自らその旅路にピリオドを打つ。
次に和希の姿を見つけることができるのは、
一体どこの街角なのか。
そんな期待に胸を膨らませつつ、
しばらくはこの『to』の世界にどっぷりと浸りたい。
音楽ライター 渡辺志保
初回限定盤
CD + Blu-ray
XNLD-10291/B
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(税込)
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特典情報
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『林 和希 LIVE TOUR 2025 “Ⅱ”』終演後のポラロイド撮影会に
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11.13
[Thu.]
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[Sat.]
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12.25
[Thu.]
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